みなさんこんにちは。
あくまで僕の感覚ではありますが、ここ数年で「ある大きな変化」を感じています。そしてその状況が、未来を担う日本の若者たちにとって、ものすごくマイナスなのではと心配もしています。
その「ある大きな変化」についてまずは説明します。ここ数年、俗に言う「進学校」と言われる高校の課題の量が、とんでもないことになっています。正直に言わせてもらうと、ある程度自分の意志で勉強できる子にとっては「障害、ストレス以外の何ものでもない」レベルの課題量です。(仕事柄、先生方と話す機会は多いので、数校の校長先生や学年責任者に課題量の確認と意図を質問したことがあります。)
課題の内容や量に関しては、またいつの日か説明をしたいと思いますが、
・各教科の先生が自分の教科のことだけを考えて課題を出している
→多くの教科を学習している生徒のことを考えると「宿題コーディネータ」のような統括者が必要だと思います。
・課題の目的が見えないものが多い
→教科書を30ページ写す、英単語を30回ずつ書く、答えも渡さずにワーク20ページ分など、とても効果があるとは思えない課題が多い。
・生徒たちの知識や学力につながっていない
→量が多い、目的が理解されていないため、その場しのぎの勉強になってしまっている。小テストを実施している学校は多いが、小テストの前に詰め込んで、その後は一切忘れている生徒が多すぎる。
もちろん、課題や小テストは大切なのですが、最も脳が成長するこの時期に、無駄なことに時間を費やしてしまっていることが、何よりも残念で仕方ありません。もう高校生なのですから、しっかりと自分の目標を考えた上で行動すべきだと思います。なんでもかんでもYesマンになるなと言うことです。進学校に通う高校生たちには、もっと「なぜ?」「どうして?」と意識して物事を見て欲しいのです。(ちなみに都内有名進学校では、やはり優秀な生徒は課題量に疑問を呈してくるそうで、個別に課題の免除を言い渡しているとのことでした。)
そしてさらに、この状況が、ある1つの大きな問題を引き起こしているように感じています。
その問題とは・・・
進学校に通う生徒の読書量が少なすぎる
と言うこと。
ここ数年、明らかに進学校に通う生徒の読書量が減ったと思います(僕の教え子だけに起こっている現象だったら申し訳ありません)。というより読書をする余裕がない、もしくはスマホや友達付き合いの方が読書より優先順位が高くなってしまっているのかもしれません。
そんな状況で「私は文系です。」というのですから困ったものです。僕からしたら「理系になれなかった人」であって、文系の学生には見えない子が大半です。
古臭い考え方かもしれませんが、僕は「本は人を育てる」と信じています。本を読むことで、学校の課題や小テストでは得られない様々な教養が身につくものです。
夏目漱石、江戸川乱歩、太宰治、芥川龍之介、川端康成などなど、とにかく誰でも良いので「文豪の名著」を時にはゆっくり読んで見てください。古本屋に行けば108円で手に入るものばかりです。また学校の図書館に行けば、皆さんの人生を豊かにするであろう数多くの本が、無料で借りることができるはずです。
最後に、下の表は、アメリカの情報機関「NOPワールド」が調査した「主要30カ国の1週間あたりの読書時間ランキング」です。
*画像は削除
2016年発表のデータですが、残念ながら我が国日本はワースト2です。1週間に4時間程度しか読書をしないのです。(実際、進学校に通う高校生は、4時間も読書をしていないと思います。)
世界の教育事情や、世界の同年代の子どもたちが何を思い、何を勉強しているかを知れば知るほど、日本の子どもたちの現状には危機感を覚えてしまいます。
みんな、本を読もう!