こんにちは。
前回の続きです。
もし部活動以外に明確な目標や夢があるのであれば、部活動に関しては真剣に考えてください。「自分は周りとは違う、自分は絶対に両立できる」と言いながら、部活動が原因で学業の才能を潰された子どももたくさん見てきました。日本では部活動を辞めることを非常にネガティブなものとして捉えますが、僕は目標や夢の実現のためには、合理的でないものはどんどん排除していくべきだと思います。人生においてプラスになる決断であれば、部活動ごときに縛られないでください。
4月に入塾したある生徒の話ですが、彼女はせっかく難関校に入学しながらも、部活動との両立ができず成績はほぼ最下位。部活動でも無用な人間関係や、顧問の先生の異常なまでのパワハラに悩んでいました。入念なカウンセリングをした上で、僕は「部活動を辞めること」を入塾の条件としました。周りの目も気にする子だったので、相当苦しい決断だったと思いますが、彼女は部活動を辞めて僕の塾に入塾しました。
今回の中間テストで彼女は順位を150番も上げました。ビリだった彼女が難関校で真ん中まで上がってきたのです。嬉しそうに成績表を見せる彼女を見て、僕自身も本当に嬉しくなりました。今では海外大学も視野に入れて必死に頑張っています。部活動を辞めたことで、勉強時間も確保でき、勉強ができるようになったことで自信も取り戻し、勉強が楽しくなったそうです。
また彼女には部活動の代わりとしてアルバイトを推奨しました。週に2回程度ですが社会の一員として一生懸命仕事をしています。人間関係やお金の大切さ、接客の難しさなど、彼女は部活動を辞めたことで新しい世界を知り、社会経験を得ることもできました。僕から見てもここ数ヶ月で大きく成長したなと思います。
部活動で日々悩んでいる子、部活動が原因で勉強時間が確保できていない子、これから部活動に入ろうとしている子、今一度、自分の人生を深く見つめなおし、何をしたいのかを真剣に考えて見てください。本来、部活動は「楽しむもの」「人生を豊かにするもの」であったはずです。もしそうでないのであれば、それは「時間の浪費」と「青春の無駄遣い」でしかありません。
スポーツ庁が部活動に関して今年の3月にガイドラインを出しました。
国の指示通りに現場が動けば良いのですが、子どもたちと話している限りは、部活動問題はまだまだ改善の兆しが見えません。先週のアメリカで行われた学会においても、日本の良き伝統であった部活動が現代教育にマッチしなくなっている事を痛感しました。いずれ海外の子どもたちの部活動事情でも紹介しながら、また部活動について考えて見たいと思います。