文系の学生たるもの

みなさんこんにちは。

先月は卒業シーズンもあってか、多くの教え子たちが僕の元に会いに来てくれました。こうして節目節目で、彼ら彼女らの成長した姿を見ることが、僕の仕事の醍醐味でもありますね。

今回は僕の素晴らしい教え子たちの1人を紹介したいと思います。彼女は今年大学を卒業し、4月から新社会人になりました。高校受験の際は1度も合格圏内に入れなかった都立高校に「奇跡の合格」を果たしました。

「あの高校受験があったから、今の私がある」

彼女は会う度にこう口にします。多くの奇跡の合格を演出してきた僕ではありますが、彼女の合格はその中でも特に印象に残っています。(語り出せば長くなりすぎので割愛)

高校受験の勢いそのままに、彼女は高校生活も部活動と勉強の両立を頑張り、現役で難関私立大学に合格しました。そして在学中はアルバイトで貯めたお金で世界を旅し、たくさんの人たちと触れ合い多くの経験を積んでいました。

先月彼女と会った際に「先生に読んでもらいたい」と、彼女が在学中に出版した本をプレゼントしてもらいました。

彼女が在学中3度に渡り旅したアジア各国の旅の記録。多くの人と出会い、多くの事を考え、苦しみながら困難にぶち当たりながら成長していく過程が記録されていました。本の中には親や友人やたくさんの人々への「感謝」という言葉が数多く書かれていました。彼女が大学生時代に得たものは、僕らが想像する以上のものであることはいうまでもありません。

日頃、教え子たちには「大学時代にスキルを磨きなさい」と口を酸っぱくして言っています。(日本の大学生の勉強量の少なさ、経験値の低さには本当に心配しています。)

全ての大学生に当てはまるわけではありませんが、日本の文系の学生たちの話を聞くと

・授業は単位を落とさない程度に欠席する

・楽な授業をなるべく履修する

・代返(他の人に返事をしてもらって出席扱いにする)している

・レポートはネットの情報をコピペしてまとめる

・アルバイトやサークル、飲み会中心の日々

このような言葉を数多く耳にします。(もちろんしっかり頑張っている学生もいます)

他方、教え子で海外の大学で文系科目を専攻している子たちからは

・毎日課題に追われて平日はほとんど勉強している

・読書量(もちろん英語)がとにかく多くて大変

・テストで低い点を取ったら即退学になるからプレッシャーを感じる

・授業後は常に教授を捕まえて質問をする

・休みの日は地域活動やボランティアに参加

と日本の大学生とは大きく異なった日常生活を送っています。

日本の大学がダメとは思いませんが、多くの子が「大学に合格した瞬間がピーク」になってしまっている事は問題だと思っています。もっとも脳が発達し成長できる20歳前後に、スキルのつかないことに時間を費やしている(悪く言えば遊んでいる)現状は、決して褒められたものではありません。周りに流され、今その瞬間のみを生きることを否定はしませんが、現在の世界の状況を鑑みるに「一人ひとりがもっと真剣に自分の人生を考えるベき」局面に来ているのではないでしょうか。

大学に進学した教え子たちにもう一度言います。

− 周りに流されるな、強い個性をもて

− これからの時代は今までの常識は通用しない事を肝に銘じろ

− 大学生時代に必ず何らかのスキルを身につけろ

− 文系の学生は大量の本を読め、理系の学生は研究に没頭しろ

− 国内でも国外でも良いので一人で旅をしろ

本を出版した彼女も「文系学生として当然のことをした」までです。彼女が特別なのではなく、彼女が「普通の大学生」だということを付け加えておきます。僕の教え子たちには、このくらいの事はできるようになってほしいものです。文系の大学に進学した僕の教え子たちはしっかりその点を理解してください。さもないと「理系になれなかった子」と言わせてもらいますよ(笑)

日本の大学生諸君、スキルを磨こう!

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