長年指導をしていく中で、どうしても納得できないことが1つあります。
それは「学校で配布したワークや問題集の答えを回収されてしまうこと」です。
私は日々生徒に口を酸っぱくして伝えていることがあるのですが、正しい問題演習のやり方(成績が伸びる勉強法)とは
(各単元の基本事項を理解した上で)
①時間を意識して問題を解く
②丁寧に採点をする
③間違えたら原因を特定する
④間違えた問題を解き直す
⑤正解の問題も解説を確認してプロセスが正しいか確認する
⑥問題集に⚪︎×などのチェックマークを入れて記録を残す
このプロセスがしっかりできて、初めて少しずつ成績が上がっていくものです。
もちろん、成績不振に悩んでいる生徒の多くが①で気持ちが切れてしまい、一番大事な②〜⑤のプロセスをかなりいい加減にやり過ごしてしまっています。当塾に入塾した生徒で定期テスト平均点レベルの生徒の多くが、まず初めに修正しなければならない点は、この②〜⑤の重要性を理解し「問いてからが勉強の始まり」だということを理解することです。
これを考えると、どうしても私の中では「問題集の解答を回収して宿題を出す」というのが納得がいかないのです。勉強の本質を理解している生徒からしてみれば「解いた後に自分の方法が正しかったのか知りたい」にも関わらず、そのチャンスを容赦無く奪ってしまっているわけです。
もちろん「ごく一部のやる気のない子が答えを丸写しするのを防ぐため」という意味があって、解答を回収しなければならない現場の事情も理解はできますが、私は「そんなやる気のない子のためにこういった策を講じるのであれば、同時にやる気のある子たちの権利も守ってほしい」と思っています。
今年度も多くの中学、高校の一部の先生が「答えのないワーク課題」を大量に生徒に課しています。問題を解いてから時間が経てば経つほど、子どもたちの丸付けに対する集中力も間違いに対しての執着も低下してしまいます。解き終わったあと、その場でできない部分を見つけて、その理由を分析し、修正改善することで成績は伸びていくものです。子どもたちが自主学習、家庭学習で伸びるチャンスをどうか奪わないで欲しいです。